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​ごあいさつ

  はじめまして。Office こころの杜 代表  山口 愛です。

 北海道札幌市でOffice こころの杜を立ち上げ、2024年1月で12年目となりました。

 

 現在、日本の労働環境におけるメンタルケアは大きく変化しています。

 2016年にストレスチェックが始まり、長時間労働対策、ハラスメント対策の強化、障がい者雇用の法定雇用率アップ。
 働く人たちにとって、少しか快適な職場環境になってきているでしょうか。

 

 コロナ禍の数年は、私たちの生活を大きく変化させました。

 人との関わり、仕事内容、働く場所、時間など、自分自身の働き方を見直す人も増えたことでしょう。

 人と距離を取ることが当たり前になり、オンライン、リモートで様々なことが進行する中で、自分の役割、価値観も改めて問われたように感じた数年でしたが、今皆さんの周りはどうでしょうか。人との繋がり、自分の居場所、職場や社会への所属感、色々なものをまた新たに繋ぎなおす時代ともいえそうです。

 社会情勢の変化が著しい中、ますますストレスは多様化し、複雑になっていますが、働く人が自分自身の健康をどう守るか、企業も、従業員のストレスをどのように快適にコントロールするかを考える機会が増えていると感じます。

 

 働く人の数だけ悩みは存在し、これという唯一の正解がない社会の中で、知っている・分かっていることだけで一方的な解を出さず、時代にあわせ、人と社会と共に悩み、少しでもベターな選択肢を考えていきたいと思っています。
 


 Office こころの杜の始まりは、障がい者雇用の支援を企業に広めたいと思ったこと、メンタル不調を患ったビジネスパーソンの皆さんが、もう一度自分のキャリアを描き、希望をもって働ける社会を創りたい、そのために必要なビジネスリハビリテーションと職場環境づくりを、可能な限りワンストップで提供したい、そう考えたからでした。

 大学卒業後、医療法人や施設で勤務したあと、数年を過ごした旭川医科大学病院精神神経科での勤務は、本当にたくさんの学びを私に与えてくれました。
 精神疾患、身体疾患全般の支援知識だけではなく、多くのクライエントや家族の声を聴き、共に生活を考える、臨場感ある体験をたくさん得られました。

 病気、障がい、介護、お金、仕事、学校、家庭、人間関係にまつわる悩み。そして、人生をどう生きるか。
 病棟や外来で共に働いた医師、コメディカルの皆さんにも、クライエント支援を考え広げる機会を、共にたくさん創ってもらいました。

 大学病院を辞める時、患者さんたちから『次にどこへ行っても、絶対また同じ仕事をしてくれ。自分と同じように困っている人たちがいるから。絶対働いてくださいね。』と言っていただいたことを覚えています。

 この人たちは尊いな、と感じました。自分のことだけでなく、同じ空の下、きっと困っているだろう誰かのことを考えている。

 「了解です。」と答えたその約束を守りたいと思っています。

 

 社会資源と呼ばれるクライエントのニーズを支える資源も、どの地域も充足しているわけではありません。

 そして、資源が複数あるからといって、互いの良さを活かしきれない、分業され過ぎて重複が生じても気づかず、使う側にとって過剰な支援を提供している場合もあります。

 でも、病気の治療で精いっぱいのクライエントが、自分にとって最善の選択肢を選べるか、差し出された資源を断わり自分に合ったものを要求できるかというと疑問です。

 それなら、クライエントにとって使い勝手の良い資源を考え続け、足りない部分は創り続け、成長する資源になれたなら。

 使える資源が目の前にないから仕方ない、もう駄目だ、と諦めてしまう人や企業を一つでも減らしたい。
 離れてから随分たっても、あの頃の経験が、今の私を、そして仕事を創っている、そう感じます。

 企業の支援を開始し、この10年間、たくさんのご縁をいただき、メンタル不調者の職場復帰支援で関わらせていただいた会社、法人は200社を超えました。復帰者の皆さんも、プログラムを通過し、元気に働き続けているかたがたくさんいらっしゃいます。

 そして同時に、クライエントの利だけに偏った支援では成り立たない、共に働く人、受けいれる会社、みんなにとって最大の安心と「大丈夫だ、働ける」という可能性を提供できることが必要だと、強く感じています。

 実際、復帰後のアフターフォローは何年も続きます。病気を治療しながら仕事もすることは、決して順風満帆ではありません。病気には波もあり、治療もリハビリテーションも万能ではありません。

 スタート当初に提供していたリワークプログラムは20くらい。今は100以上のプログラムをクライエントの課題にそって提供しています。


 初めの頃に、プログラム受講後のクライエントの一人から「言ってることはわかりますよ。でも正直難しい。明日からこれをやれと言われても、できない。」そう言われました。
 正直に感想を述べてくれたその人に私は感謝し、「どうなったらよいでしょうか」と色々意見をもらいました。そしてすぐにプログラム内容を変えました。使う人の立場に立つ、漫然と提供しない、本当に大切なことだと思います。

 大事なことは、プログラムを創って満足することではなく、目の前の人、会社の困りごとを解決できる方法を、リアリティをもって考えること、困りごとの核心に手が届く支援がしたい、そう考えています。

 

 先日、病気が随分落ち着き、これからまた働こうとされているかたから、「ここに相談に来てよかった」と仰っていただく機会がありました。

 その方の悩みにあわせ調整する、定型的サービスではないからこそ効果があがることも多いのですが、その形をいつも共に考え、取り組んでくれる支援者のかたがた、その形を見守ってくれる病院や法人のみなさまにも、改めて感謝を感じる出来事でした。

 私たちが提供する支援は、完全でも完璧でもありません。

 けれども、メンタル不調者のかたが、病気になったことでつまずいた働くこと、人生そのものに、少しでも自信を取り戻し、こうなりたい、こんな風に働きたい、とまた描けるように。

 そして会社に貢献し、会社に大切にされる、そんな従業員であれるように、できることを共に考え、真剣にサポートを提供して参ります。

 会社の皆さんにも、同じように対応や判断で困ったとき、大切な従業員の労働力・能力を失わないためにできることを、迅速に考え、丁寧に対応をしていきます。どうぞお気軽にご相談ください。

                                      Office こころの杜 代表 山口 愛

【代表】 

  山口 愛 Yamaguchi Ai

 精神保健福祉士/社会福祉士/キャリアコンサルタント/産業カウンセラー / 雇用環境整備士

 福祉住環境コーディネーター/アンガーマネジメントファシリテーター™/生活習慣病予防プランナー

 国家資格取得後、精神科病院勤務、認知症施設の立ち上げを経て大学病院精神科医局に勤務。ソーシャルワーカーとして、退院支援、外来支援を担当し面接実績は5,000件を超える。

 精神疾患全般の社会復帰支援プログラム、再発予防プログラムを、医師・看護師と共に構築し、実践。

 障害者総合支援法(旧障害者自立支援法)における就労支援施設変遷に併せ、医療機関が担う社会資源移行アセスメント、療養中から取り組める業務遂行力向上プログラムも個別に展開。

うつ病復職支援プログラムを行った際、クライアントの復帰先企業より反響が大きく、同時にメンタル不調者への理解と支援不足を痛感し、札幌にてOffice こころの杜を開業。

  現在は、企業にむけた産業保健サポートのほか精神科医療機関や施設などで専門リハビリプログラムの開発・提供・実施支援、カウンセリングを行っている。行政機関、企業等での研修実績多数。社会福祉法人の評議員や社会福祉専門学校の非常勤講師も務める。

 ストレスチェック運用も制度化当初から実務を担当し、企業担当者のほか、実施者向け研修も担当。「快適職場をつくる」を使命に、集団分析・職場環境アセスメント・改善提案も精力的にこなしている。

  

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